ただ私、紀真(きま)は幼児性外斜視の為、(三度筋肉を動かす手術を行ったのだが)見えない視界があり、上司に必死で、その事を伝え、積極的に検査業務を拒否して、自社の品質を守り続けた。後、幼児の頃から力加減が出来ないので、電動ドライバーを使ってはネジバカを生産し続け、ノギスに加える手の力加減が調節出来ない為、他の社員の測定値と大きく狂う事もあった為だ。

そんな検査員兼品質管理事務員が必要とされてる部署だったので、居心地は大変悪すぎたが私は「仕事の鬼」である事を先輩や上司やトップと同じ方角を見ながら、誇りに思っていた。