…そういや周りやけに静か。



と思って周りを見回すと、


「あは」



ちょー見られてる



申し訳ないっす…






「叶愛、知り合いか?」

「んー、おー」



会話が終わったのを見計らって、叶愛に聞いた瑠衣



トキのやつ、真面目にこたえてやれよバカ



「……?」




叶愛のこたえを聞くと、近づいてきた瑠衣




そして、私と優ちゃんたち4人の前にくると、





「助けてくださり、
ありがとうございました」


!!



頭をさげ、凛とした総長声でそう言った瑠衣




総長といった上の立場にいても、こうして人に頭を下げれるのってすごいと思う。


当たり前なことかもしれないけど、少なくとも私は瑠衣のこういうところが大好きだ


「いや、気にすんな」

「頭あげて」


優ちゃんたちの声に、ゆっくり頭をあげた瑠衣




近くに、目の前にいる大好きでたまらない瑠衣に今すぐ抱きつきたくて仕方ない




抱きつきたい衝動でうずうずしてると、それに気づいたトキが


「いってこい」

「っ、」


そう言って背中を押してくれた



けど、ふと頭をよぎったこと



それは、


瑠衣に嫌われたのではないかということ




あんな逃げ方して、こうして戻ってきて、

私が抱きつきたくて抱きついても、瑠衣が嫌だったら?


そう思うと、なかなか一歩が踏み出せない




「大丈夫だから、あいつなら受け止めてくれる」


今度は優ちゃんが、頭を撫でてそう言ってくれた



そして、

「ほら、」






「っ、瑠衣っ」



優ちゃんの声掛けとともに、瑠衣のもとへ駆け出した



といっても、数歩の距離にいるので、



「うおっ」

「お、っと」



案の定、勢いがつきすぎて突っ込んだ



瑠衣はちゃんと受け止めてくれたが、


…すまん






「瑠衣っ瑠衣、」





申し訳なさがあったが、前と変わらない瑠衣のあったかい匂いに



「好き、大好きっ」



溢れ出す想いはもうとめられない