そんな姿のノノを想像出来ないのか、驚いて固まる如月


「ノノ、淡々とした顔してただろ?」

だからこそ、余計想像出来ないんだろーな

頷いたのをみて納得する


「俺倉庫住みだから、ノノは一人暮らししてんだけど、
この前授業中ノノから電話来てさ、出たら、『お願い、今はそばにいて』って泣きそうな声で言われて、授業ほっぽかしてノノん家向かったんだよ…」


悔しそうに、唇を噛み締め、暗くなった如月の顔


「家入った瞬間泣きながら抱きつかれてさ、
ほんと何事かと思ってびびったわ。」

あん時まじで心臓止まるかと思った


「んでさ、何があったか色々聞いたわけよ」


真っ直ぐ俺に向けてた目を下に向けた如月


「そんでさ、最後にあいつなんて言ったと思う?」


急に俺が質問すると、わからないのと不安な表情で視線を俺に戻した


「『嫌われたかな…』、だってさ」


「っ、」


「誰だって、信じてる人にも少しの疑いを含んで見てしまうことはある。…ノノもそんなことはわかってんだよ、けど、怖くて仕方がなくて、」


俺も疑うことは悪くないと思ってるし、ノノだって自分で言ったことだ。

だけどどうしても無理なことってある


「だからこそ、落ち着けるように、今お前らと距離置いてんだよ」


「……」


「ノノは、お前らのことを嫌いになった訳じゃない。それはわかってんだろ?」

「っ、あぁ」


「ノノに、お前らを傷つけないため。少し距離を置かせて。って言われたんだろーけど、

…お前ら不安と罪悪感やばいだろ」


「…は?」



最後の部分を、ついニヤっとして言ってしまった

…如月の視線がすげー刺さる



「ゴホンッ、あ、あー、うん。」

気にするな、と微笑むと、呆れたように見られた。

…泣くぞ


「お前らが後悔するのもよくわかる。だけどノノも今自分と戦ってる。」

言いたい事わかるよな…?という視線を送れば、最初みたいな真っ直ぐ凛とした目をした如月に安心する


「後悔するなら次に活かせ。お前らは今目の前のことと戦え」



闇虎とか言ったふざけた名前のやつらに、こんなままじゃ負けて、怪我するだけだ

…お前らが傷ついて傷つくのはノノだ


「ノノのことは今は置いとけ。って言ってるわけじゃない。けど、ノノのことはどっちみち闇虎を倒してからになる。

だったら闇虎をぶっ潰して、ノノのこと抱きしめてやれ」


ノノは、待っててってこいつらに言ったが、ほんとはノノがこいつらのことを待ってる


「ノノのこと、愛してんならちゃんと伝えてやって。

…あいつのこと救えんの、お前だけなんだから」



俺だって、ノノを救いたかった。

けど俺じゃ駄目だった


家族として、片割れとして俺のできることは、ノノの味方でノノを支えることだけだ