「まあ確かに私の行動が迂闊だったってのもあるよ?
けどさ、今私のことスパイって疑うってことは、煌雅でのことも私が悪いって疑ってるってこと?」
私が夕凪のスパイとして煌雅にいたって、
私が愛をいじめたのは事実だって、
「違う」
「なにが」
だってそう言うことでしょ?
「私の本名は棗乃愛、中川は母方の旧姓
親が棗財閥だから、中川でいたわけ
叶愛は
私の双子の兄
この一週間は、昨日がお母さんの誕生日でパーティーがあったからそれの準備で本家に帰らないといけなかった
叶愛とは土曜日お母さんの誕生日プレゼントを買いに行ってたの」
この一週間、パーティーの準備で忙しくなり、学校にも倉庫にも行けないため、
家…本家に帰るから一週間会えないと事前に伝えていた
「これでいい?」
瑠衣の肩がビクッとなったのが見てわかる
…私の声が冷たいからなんだろうけど
「ごめんだけど、しばらく距離おかせて」
「っ!!」
私は、もうとっくに暁月を信じていた
薄情だなって思うけど、煌雅ときよりも断然暁月の方が大好きだった
だからこそ、煌雅に疑われるよりも、暁月に疑われたことがつらくて、苦しい
このまま暁月といても、ひどいこと言って傷つけるかもしれない
暁月からの視線に怯えるかもしれない
信じてもらえてるのか
必要とされてるのか
本当は、いらないと思われてるのではないか


