けど、消えないようにするのが俺の…俺らの役目だ

と、心に決めているとき



「乃愛っ、」

泣きそうな、嬉しそうな声で乃愛に抱きついた真希


「真希っ、久しぶり」

「乃愛っ、乃愛」


さっきの大人っぽい印象とは異なり、今度は子供のように乃愛に縋る真希

そしてそんな真希を優しく抱きしめ返す乃愛





…いやなに抱きしめ返してんだよ


「乃愛」


いてもたってもいれず、真希の腕の中にいる乃愛をひっぱり、俺の腕に閉じ込める


「うぉ、瑠衣っ?」

「あ、」


驚く乃愛を他所に、真希を睨む



「乃愛、愛されてるね」

「へへっ、」


少し笑いながらそう言った真希に、恥ずかしそうに笑う乃愛

…かわい



乃愛を抱きしめる力を強め、思っていたことを口にする


「乃愛、真希とどういう関係?」


同じ煌雅にいて懐いてたとはいえ、2人を包む空気はなにか違う


「あ、名前」

「あいつらが呼んでたから」

「あー、そっか。

んじゃ改めて、









乃愛の従兄弟の斎藤真希です」



………………は?従兄弟?



戸惑う俺に、

「優ちゃんの弟だよー」

俺の腕の中から笑顔で見上げながらそう言った乃愛

…キスしてえ



つーか、優ちゃんって、優紗さんのことだよな?


言われてみれば、結構似てる




「…そうか、俺は乃愛の彼氏で、暁月総長の如月瑠衣」

「暁月っ!?」

「そだよーん」

「ってことは乃愛は姫?」

「あーうーん?」


そういやちゃんと姫とかやってなかったな


あとでちゃんと話そう…



「?、…乃愛、瑠衣さんのこと好き?」

曖昧な乃愛の返答に不思議に思いながらもそう乃愛に聞いた真希

「うん!」

当たり前のようにそう答えた乃愛に、つい頬が緩む