そんなこと思ってる間に向かってくる拳
…あー、ムシャクシャする
弱々しい拳を簡単に掴み、がら空きの懐に1発入れようとしたとき、
「瑠衣っ!」
パシッ
「っ、乃愛?」
光の懐に入るギリギリの俺の拳を掴んだ乃愛
「なっ、お前っ!!」
光たちは急に出てきた乃愛に驚きを隠せていない
「…あんたらさあ、」
初めて聞く乃愛の殺気の混ざった低い声に、俺も驚きを隠せない
まあまあな殺気にこいつらは少し肩を震わせている
「私が憎いなら勝手に恨めばいい、私を傷つければいい」
静かに、けどはっきりと言った乃愛
「けど、私の大切な人を傷つけたら…
お前らを潰す」
初めて見る乃愛の真っ直ぐで真剣な顔に、ついドキッとする
…別にMじゃねえぞ
さっきよりも強くなった殺気に、こいつらは顔面蒼白
「うっ、あ、」
直接殺気を向けられてる真希以外の4人は立っているのも精一杯ってとこだ
「あと、愛が好きなら私を犯してないでアタックでもしろよ」
…聞いてたのか
「なっ、お前になにがっ!!」
「なにがわかるかって?
わかるわけねえだろ。なにもしてないやつのことなんか」
乃愛の言葉に、図星だという顔の光
…こいつわかりやすくて笑えるんだけど
さすがにこの空気で笑うほどKYじゃないけど


