乃愛の代わりに自販機の近くまで行ったとき、ちょうど始まった乃愛の話に


「中川乃愛さー、」


足をとめ、少し盗み聞きをする


…てかまあまあ近くいんのに気づかねえってこいつら大丈夫か?



「あいつ今度は新しい転校生たぶらかしてんじゃん?」

「あーだな」

「俺ら裏切っといてよくやるよな」

「それな」


1人がやたらしゃべって、周りは適当に頷いてる

…こいつ、周りが興味なさそうなの気づいてねーのかな




「…別に、今はお互い安定してるし、もういんじゃない」


そう言ったのは眼鏡をかけた落ち着いた雰囲気のやつ

…安定?

「総長たち、最近はもう落ち着いてきたし、乃愛も転校生たちと楽しそうだし」


ふーん、こいつは良い奴なのか


「そういや真希マキ、乃愛さんに懐いてたもんな」


真希か…懐いてたってことは乃愛の味方?


「…乃愛が裏切るわけない」

「お前っ、じゃあ姫が嘘ついたってことかよ!?」


キレたのは最初1人でしゃべってたやつ


…こいつあの姫のこと好きなのか