「はいっ、ありがとうっ!」
カナと似た優しい笑顔に俺も優しい気持ちになる
カナの優しい瞳の奥に隠れた寂しさ、
取り除いてあげれるかな?
笑顔の楓さんに微笑み返すと、
「…君の名前を聞いてもいいかな?」
と、少し眉を下げ不安そうに聞いてくる
その姿がカナそっくりで少し笑ってしまう
「フフッ、私の名前は中川乃愛です」
フードを取り名前を告げると、
俺から私に変わったこと、女だったことに驚いているようだった
「え!女の子!?」
「はい」
「…そっか、乃愛ちゃん本当にありがとう」
そう言った楓さんのありがとうには、きっとたくさんの意味が含まれているのだろう
「いえ、ではまたいつか」
「うん、家遊びに来てね」
「はい、是非!」
早く楽しく過ごす3人に会いたいな
すぐ来るであろうその時に少しわくわくしながら、楓さんに背を向け家への帰路を辿った