純白の華 【1】




「あの、柏木楓さん」


楓さんの目の前まで行き、声をかけると

自力で立てるまで回復したようで、警察官は俺に気を利かせ2人きりにしてくれた


「え、っと、君はさっきの」

「はい、桜咲です」

「ああ、やっぱり桜咲か」

やっぱりか、まあみんな気づいてるよな

目の前の桜咲に驚きつつ笑みを浮かべる楓さんに、どうしても

「奏…」

カナが重なった

「っ!?、どうして…?」

奏という名前に反応し、尋ねてきた

「俺、奏と友達で」

「っ、そうか…奏は今どうしてるかな」

懐かしむように、優しく微笑む楓さん

カナ、カナは愛されてるよ
だから早く会って、抱きしめてもらって
温もりを、愛情をもらってね

「奏は、素直で優しくて元気ですよ
周りの人たちを支えられる強い奴です」

今日出逢ったばかりの俺に、1番話しかけ、最初に安心をくれた奏
たった1日のあの数時間でもわかるくらい、奏は今言った通りのやつだった

そう伝えたかったこと伝えると、

「そ、うか…よかった」

薄ら涙を目に浮かべる楓さんに、少しもらい泣きしそうになる

「奥さんも、元気です」

「っ、優美っ」

優美さん…楓さんの奥さんも元気に奏と仲良く暮らしている

理由も知らず出ていった楓さんを待ちながら


「宿は警察が用意しているので、そこでゆっくり休んで、心の準備が出来たら、一刻も早く2人に会いに行って抱きしめてあげてください」


カナ、頑張って
恨まないで
楓さんはこんなにも2人を愛してるから