殺気で倒した奴らは、脅されていた人たちがほとんどなのだろう
今向かってくるやつ、周りにいるやつは薬に酔ってるやつらばっかだ
まあその方が暴れやすくていい
ドサッ
向かってきた最後の1人を倒し、
上で怒りで震える濱津を見上げ、少しずつ近づいていく
濱津と愛の目の前に辿り着いた
「…あとはお前だけだ
どうする?」
まあどうするかなんて選択肢、一つしかないけどな
俯き押し黙る濱津にもう問う
「じゃあこうしよう
どちらか選べ、選択肢をやる
俺と戦わずに終わる」
そう言うと、バッと顔をあげ喜びを含んだ目で見てくる濱津
俺がさらっと終わらせるわけねーだろ
「そして族を解散させる
それが1だ、
2は、
俺と戦い俺が負けたらお前らにはもう手出しはしない
ただしお前が負けたら族は解散だ」
どうせ族は解散させる
さあ、下っ端だけ戦わせ自分は無事で終わるか、
勝率のない勝ちを目指し戦うか
お前はどうする?
「…族を解散させる」
下を向き、静かにそう呟いた濱津
「そうか、」
フッ、ばっかだなあ
ニヤっとしたの、俺が見逃すわけねーだろ
ポケットに入ってるんだろうカッターナイフを取り出す濱津
「グハッ」
取り出す前に回し蹴りをお見舞いする
すると一発で倒れた濱津
「バレバレだっつーの」
どうせ愛を人質にとでも思ったんだろ
倒れる濱津の髪を掴み、顔をあげる
「…言うことは?」
「くっ、…死鬼を解散させる」
静かな倉庫に響く濱津の小さな声
下っ端の奴らも、気はあるが痛くて立ち上がれないんだろう
息を飲む音、歓喜の呟き
それぞれの音が聞こえた
「もちろん、死鬼を復活させる。
なんて馬鹿なことしたら、
殺しにくるからな」
最後の言葉だけ、濱津の耳元で殺気を含めた低い声で呟く
「ヒッ、」
と、情けない声をあげ、気を失った濱津


