隣人はヒモである【完】




そしてきっと、殺そうとしたのはあたしではなく、あの彼女ではないだろうか。


この人は身勝手だ。


都合よくあの人、秋元さんを利用しておいて、同時に負担を感じている。


ちぐはぐで矛盾だらけ。


だけど一番苦しんでいるのはこの人で、なんてバカな人だろう。



「……あたしたち似てる」



あたしだけが理解してあげられる気がした。


同時に、あたしがずっと感じていた生きづらさやこの世の違和感を、この人だけは理解してくれる気がした。



「……俺は変われない」



だからこそ、彼があたしを選ばないこともなんとなく分かる。


レオさんが力なく呟いた言葉は、あたしに言ったのかどうかも分からないほど小さな声だった。


彼に彼女は殺せない。


この人はあの人の首を絞める紐。


生活を圧迫して、搾取し、それでいて自分は何も与えない。


彼女を苦しませることで、彼女を活かしている紐なのだ。