隣人はヒモである【完】





「……それ、本当にあたしのこと?」



訊けば、るいくんは訝し気にあたしを見やり、うんと頷く。



「あたし、そんな人間じゃない」

「……うん」

「そんな魅力的な人じゃないよ、るいくんは勘違いしてる」

「いいよそれでも、好きになっちゃったんだから」

「……あたしにどうしてほしいの?」

「今まで通りでいいよ、穂波は、付き合ってくれたらそれはそれで嬉しいけど、でも、別にそれはいい」

「……」

「今まで通り、暇つぶしで、俺に会って」



懇願するようにこちらを見るるいくんを見て、どうしてこうなってしまったのか不思議で仕方なかった。


あの部屋で過ごした、余裕のある風だったるいくんは幻だったのだろうか。


それとも、あたしが彼の本質に気付いていなかっただけ?


だとしたらお互い様でお似合いのカップルだったのかもしれない。