隣人はヒモである【完】




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るいくんからの連絡を無視し始めてから5日目、案の定彼からの連絡の頻度は増え、着信履歴も1時間に1回ずつ残されるようになっていた。


芙美に感づかれそうになってからというもの、るいくんとの関係が途端に煩わしいものに思えてきてどうしようもない。


スマホのロック画面を覆いつくしている通知の件数は、その内容を確認するのも億劫だ。


初めは自分の近況を知らせるような内容だったのが、1日返信しないとあたしの体調を心配するようなものが増え、最近は何に対するのかわからない謝罪と、とにかく会って話がしたいという内容ばかりだ。


何度も送って来られたって、返信するどころかメッセージを確認する気も失せるだけなのに。


るいくんとは、ラインをブロックして、電話番号を着信拒否したら簡単に終わるような関係でよかったのに。


るいくんは意外にもあたしに執着している。意外かどうかは、あたしの主観だけど。


もしかしてるいくんて友達いないのだろうか。


あたしの記憶では、高校時代はそこそこ友達が多くて、女の子からの人気もあったはずだけど。


まさかあたしが思っていた以上に、彼はあたしのことが好きだったのだろうか。