昨日は確かに、るいくんとるいくんの大学の最寄り駅で待ち合わせしてるいくんの家に行ったし、その駅は飲み屋街が立ち並んでいて人気があるしうちの大学の生徒も利用しない可能性がないわけじゃない。
でもまさか芙美が?
芙美の使う路線とは全然違うから油断した。
これは少し面倒だぞ。
「嘘お、親しそうだったじゃん」
「ただの高校の同級生」
「元カレとか?」
「ん―」
「あ、怪しい」
否定も肯定もしなければ、芙美は自分の都合の良いように解釈してくれ、より好奇心を帯びた瞳をぎらりとさせた。
「なるほどねー、あまり深くは聞かない方がよさそうだね」
だけど芙美は良くも悪くも思い込みが強いタイプだから、自分で勝手に納得したらそれ以上は聞いてこない。
あたし的にはすごく助かってる。
自分の話をするのってあまり好きじゃない。ましてやるいくんのことなんて、なんて説明してよいか分からないし、わざわざ友達に話すようなことでもないと自覚しているから、できれば話したくなかったし。

