朝起きると、昼の12時を過ぎていた。朝、とは言わないか?


カーテンを閉め切っているのと、もともと部屋の日当たりが最悪なことも相まって太陽の爽やかな光は少しもあたしの部屋に差し込まない。


思ったよりもぐっすり寝すぎてしまったみたい。


あ、と気付いてベッドの下へ視線を落とすと、昨日あたしが眠りにつく前と全く同じ場所、同じ態勢で眠っているレオさんが視界に入った。


……変な感じ。あたしの部屋にほとんど何も知らない男がいる。やるどころか、同じ布団ですら寝ていないのに。


この人も、よく他人の家の、しかも床ですやすや眠れたもんだ。


神経が図太いというか、神経が図太いに違いない。あたしも大概だけど。


……起こそうか? それとも、あたしももうひと眠りするか。


多分寝れないことはないと思う。自慢じゃないけどあたしって寝ようと思えばいくらでも寝れる。ほんとに自慢じゃないなこれ。




「……るいくんって、彼氏?」


「うわっ」




どうでもいいことをたらたら考えていたら、いつの間にかレオさんは体を起き上がらせていて、あぐらをかきながら掠れた声で聞いた。