すると優さんが静か話し出した。

「雅紀、そんなことは知ってたよ。人見知りだし、合コンだって嫌いなの分かってる。それに対して怒ってるんじゃない。嘘つかれたのがショックだっただけ」

「優さん……」

「ごめんね、由紀恵ちゃんと結実ちゃん。こんな事に付き合わせてしまって」

由紀恵も結実も静かに首を横に振った。

「優…、ごめん。悲しませたくなくてって……結局悲しませてるな」

「私もごめん。仕返しみたいに元カレの所に頼ったりして」


「全くだよ」と背後から居るはずのない人物の声がした。

えっ?!と皆がかぶりを振った。

「雅紀、早く優を連れて帰って。娘さんが待ってる」

俊哉の後ろからおばあちゃんに抱っこされた幼稚園の制服の女の子が見えた。

「あ、私は帰るねっ」

慌てて立ち上がった由紀恵の右腕を掴んで俊哉は

「お前の家はここだろ？」

と今までに見たことないような瞳、そして地の底から聞こえるような声で言った。