それから、何となく4人でまわる感じになり、
閉館時間を迎えて、その流れで4人で夕食という展開になったのだった。

「トシはもうメロメロなのね」
「なっ、……ゴホッ、ゴホッ、うっ」
と瞳の発言に俊哉が豪快に噎せた。

「瞳さん、何でそう思うんです?」
と冷静に問う由紀恵を横目で睨み付けながら、俊哉はビールを流し込んだ。

「いや、付き合ってまだ半年も経ってないんでしょ?今までのってさぁ、いつもかっこつけてんのよね。彼女の前だと何かにつけて」

「なんだよそれ」と突き刺さりそうな鋭い視線を俊哉が向けるも、瞳はそれをものともせず続けた。

「何か、すっごく自分を作ってる感じがしてたのよね。でも、今日は素でいる感じだし、もう何年も一緒に居るのかと思っちゃうくらい自然なのこいつ」

と瞳に指された指をパシッと俊哉は払って、

「うるさい姉貴。このロリコンが」

「9歳差でロリコンっていうなら、あんたも充分ロリコンじゃん。それにカズくん、この歳にしては結構落ち着いてんのよ?」

「そうですね。一馬は兄弟の中では一番落ち着いてるかも」

そうだ。まだ実家にいた頃、私が家事でバタバタしてる時には、静かにさらっと手伝いをやってくれ、弟たちの中では一番頼りになる存在だった。

「トシさんは胃袋掴まれちゃった感じ?」と一馬。
「まあ、それもあるな。あ、うちの姉貴はとんでもないもの出すだろ?」

「こら、俊!」と瞳さんが振り上げる手を掴みながら、さらに俊哉が続けた。

「チャーハン、つって出てきたのが塩味のベトベト油飯」

「いいのよ!カズくんがちゃんと作ってくれるんだから」

「ああ、そっちは姉貴が胃袋掴まれたのか」


思いがけない兄弟の再会はであったが、終始賑やかに過ごした4人だった。