結局、二人で向かい合ってご飯を食べる事になった。

「明日はどうする?晩飯はどっか食いに行こうかと思ってたんだけど」

そう、明日は久々のデートだ。雨模様だからと水族館にでも行こうかと料理中に話していたのだ。

「んー、いつもの調子で沢山作っちゃったから、勇気くんと真波じゃ食べきれないかなぁ」

「じゃあ、帰ってきて食べるか?」

「そうですね。あのくらい残ってれば作り足さなくてもいけそうだし」

「ん、そうだな。しかし相変わらずうめぇな、由紀恵の唐揚げ」
「ふふ、お口に合って何よりです」

と何気ない会話をしながら食事を終えた。


由紀恵は俊哉が風呂に入ってる間に洗い物を済ませていた。いや、ちょっとでも自分を落ち着かせたいが為、俊哉に先に風呂に入るように勧めたのだ。

(二人きりなんて……意識してしまう。何か欲求不満みたいで恥ずかしい。落ち着け、私!)

と言い聞かせながら、洗った食器を拭き上げていた。


「お先ー。後やっとくから入ってくれば?」と俊哉が台所へ入ってきた。

「あぁ、ありがと。頂いてきます」と上擦りそうになる声を必死に押さえながら風呂場へと向かった。