皆揃ってテーブルを囲んだ。
まぁ、カレーだが俊哉がスパイスから作ったからかなりのご馳走だ。「これだけは作れるんだ」とはにかんだ俊哉の顔を思い浮かべてにやける頬に力を入れた。

「今日は祝いの晩餐っすね。」
「初の二人の共同作業ですね、かなえさんっ」
「本当、めでたいわねぇ。」

と三人が生暖かい眼で私たちを見ている。
すると、勇気だけ取り残されていたようで、

「え、何?何のお祝い?誰か誕生日?」

とハテナでいっぱいになっている。すると幾太が

「本当にっぶいなぁ、トシさんと由紀恵さんがやっと恋人になったの。」

「えぇーっ、全然わかんなかった…。」

「まあ、元からお前鈍いからな。トシさんなんか最初から目がハートになってたぞ。」

「「えぇーっ」」勇気と由紀恵が同時に叫んだ。

「まぁ、由紀恵も相当鈍いわね。」と真波。

「いいから、早く食えっ!!」

とばつが悪そうに俊哉が叫ぶと、皆笑いを堪えながらカレーを食べ始めた。