「いただきますっ!」

と、4人で夕飯を囲む。幾太くん、勇気くんが子どもみたいがっついてる姿を微笑ましく見ていた。
だが、なぜだか隣から視線を感じて振り向くと、ムスっとした俊哉と目が合う。

「ん?」

と由紀恵が小首をかしげたが、俊哉はまた自分の茶碗へと視線を戻し、静かに食べ始めた。

「やっぱりお腹に重かったですか?何か出しましょうか?」

「いや、大丈夫。……ブツブツ…」

後半は何を言ってるのか由紀恵には聞き取れなかった。
まぁ、食べてくれてるからいいか。
不機嫌な俊哉の横顔をそれほど気にすることもなく、由紀恵も食べ始めた。


「うー、お腹いっぱいー」
「久し振りにマトモな飯食った気ぃするー」

と幾太、勇気がお腹をさすっていた。

今は食後のお茶を4人で飲みながらリビングのソファで寛いでいた。

「喜んで貰えて良かったよ」

と二人に声をかけ、飲み干した湯呑みを片手に

「じゃ、洗い物を済ませてくるわ」

と腰を浮かせると、幾太と俊哉が

「あ、僕も手伝うよ」
「俺、手伝うわ」

と同時に腰を浮かせた。

「じゃ、俺はお風呂先に頂くねー」

と勇気は湯呑みを片手に台所へと消えていった。

「じゃあ、三人で洗い物をやっちゃいましょうか」

と由紀恵も台所へ向かった。

背後で「チッ」という舌打ちと、「ふっ」と鼻で笑った音がしていたが、由紀恵の耳にまでは届かなかった。