家族全員と、萌が集まった。
「夢ちゃん…、何かあったの…?」
ゆうたが心配そうに私を見つめる。
「ふぅ…。じゃあ、まず、萌ちゃんについて話すわね。」
萌…。
「彼女は夢亜がやらかさないようにするための……いわゆる、スパイ。」
「「スパイ!!?」」
「ずーっと、行動を見張っててもらったのよね。」
まさか…
そんな…
萌が…
私が萌を見ると、気まずそうな顔をして、
こっちを見た。
「だから…私が転校してきたのは、そのためなんだよね…。」
「家、お金無いからさ、
若さだけが、取り柄で…
一番いい仕事が、これだったの。
最初はただのスパイのつもりだったんだけど…
夢亜が話しかけてくれて…、
仲良くなったら、色々知れるかもって…
思ってたんだけど…、
だんだんこんな仲良くしてくれてるのに、
悪いな…って思えてきて…
だから、クライアントに、
もう、スパイは辞めたいって言いにきたの。」
そうだったんだ…。
隠す方も大変だったし、
辛かったと思う。
私が、萌にゆうたのこと隠してる時も、
そうだったし…。
…。でも、待って。
「クライアント…??」
誰かが萌に指示を出してたんだよね…。
しかも、私が何するか、ただ確認するために、萌の家が助かるくらいのお金を出せる人ってなに…?