「ごめんなさい!お姉さん!


ゆうたと一緒にいたくて…。でも、だからっていって、理由も思いつかないのに…。

お願いします!秘密にして!」



「ん…。いいのよ…。」



確実に、彼女は今、動揺している。


声の高さが上がった。



「‘かれかの’なら、キスぐらい余裕よね?してみて。」



何、


まるで、私達の関係を、


知っているような、勝ち誇った声色。

だからと言って、動揺する訳にはいかない。


「お姉さん、‘かれかの’だからって、キスする訳じゃないんですよ?」



「‘かれかの’だからこそ、キスというものを、大事にしたいんです。」


この勝負、


    勝った。