どうして私じゃなくて、あの子なんだろう。 1番は、わたしだと思ってたのに。バカみたい。 無我夢中で走っていた。 そして、曲がり道を曲がった瞬間。 「キャッ!」 誰かとぶつかった。 倒れそうになった私の腕を引いて、そこに立っていたのは、 「さ、真田…くん?」 先ほど、桜が一匹オオカミだとか何とか言ってた。 ていうか、嫌だ、私今泣いてるのに…。 「ごめんね、本当に…ごめん。」 制服の裾で、必死に涙をぬぐう。