創吾が冗談を言っているのではないことは、その表情を見れば理解できた。
「車が動かないなら、歩いて行くしかないのか?」
助手席の和希がそう聞いた。
創吾はお手上げ、というように左右に首を振って見せた。
「嘘でしょ? ここから森を抜けるまでどのくらいの距離があるの?」
真琴が聞く。
森の道へと入ってきてから随分奥まで進んでいるはずだ。
1キロや2キロなんて、生易しい距離じゃないことはみんな理解していた。
「20キロくらい……」
創吾が蚊の鳴くような声で言った。
20キロ。
その距離を聞いた瞬間、みんなが押し黙ってしまった。
その距離を歩ききるころには、きっとまた日が暮れているだろう。
それよりなにより、ここは森の中だ。
野生動物に出くわすこともあるかもしれない。
「車が動かないなら、歩いて行くしかないのか?」
助手席の和希がそう聞いた。
創吾はお手上げ、というように左右に首を振って見せた。
「嘘でしょ? ここから森を抜けるまでどのくらいの距離があるの?」
真琴が聞く。
森の道へと入ってきてから随分奥まで進んでいるはずだ。
1キロや2キロなんて、生易しい距離じゃないことはみんな理解していた。
「20キロくらい……」
創吾が蚊の鳴くような声で言った。
20キロ。
その距離を聞いた瞬間、みんなが押し黙ってしまった。
その距離を歩ききるころには、きっとまた日が暮れているだろう。
それよりなにより、ここは森の中だ。
野生動物に出くわすこともあるかもしれない。



