心の中でメンバーたちを励ましながらウタを歌う。


目を閉じて乃愛の姿を思い浮かべた。


死んだ後じゃなくて、生前の元気だった乃愛の笑顔だ。


『幸弘!』


俺の名前を呼んでこちらへ手を伸ばしている乃愛。


乃愛はいつでも元気で、いつでも俺より先に行きたがる性格だった。


俺は乃愛に手引っ張られるようにして歩く事が多かった。


『早くおいでよ』