みんな黙っていた。


肯定も否定もしない。


だけどこの場合、無言でいることは肯定を意味していた。


「最初にこれをやる必要がある」


創吾がそう言った取り出したのは果物ナイフと小瓶だった。


ここに来る道中に購入したものだ。


それを買っているのを見た時から覚悟していたハズなのに、ゆらめく炎を映し出しているナイフを見るとさすがに身がすくんだ。


「血を……集めるの?」


真琴が小さな声でそう聞いた。


創吾は頷く。


真琴は自分の体を抱きしめるようにして三角座りをした。


きっと、みんなこれが一番怖いんだと思う。


誰も創吾と目を合わせようとしない。


「ねぇ、やっぱり無理じゃないかな」


そう言ったのは和希だった。