死体と2人きりで広間で待たされていた和希は敏感になっているようだ。


「悪かったよ和希。俺が乃愛と2人で残るべきだったのに」


「いや、大丈夫」


ブンブンと左右に首をふる和希。


俺たちと合流したことで少し顔色も良くなってる。


だけど、和希が言う通り森の中は野生動物が存在していてもおかしくない。


乃愛の死臭に気が付いて近寄ってくる可能性だってある。


そう思うと俺の足は早まっていた。


今乃愛は1人きりだ。


こうしている間に危険が迫ってきているかもしれない。


後ろをついてくる2人の歩調を合わせることもせず、俺は大股で進んでいった。


そして広間に出たその時だった……。