☆☆☆

朝になるまで火を絶やしてはいけない。


そうなると、たった一度両手に抱えて戻っただけでは到底足りなかった。


俺と創吾は何往復もして薪を積み重ねていく。


森の中で見知らぬ虫に刺されても、俺は全く気にならなかった。


もう少しで儀式が開始できるという喜びで、胸の中は満たされていた。


最後の薪を両手に抱えて戻ってきた時、森の中に和希の姿を見つけた。


「和希!」


そう声をかけると、和希はハッとしたようにこちらを向いた。


「なんだ、お前らか」


そう言い、ホッとしたようにほほ笑んだ。


「どうしたんだ、和希?」


近づいてみるとその顔色の悪さがわかり、創吾が聞いた。


「あぁ……。広間で1人でいるとなんだか怖くってさ。森の中からガサガサ物音が聞こえた気がして、野生動物かもしれないと思って様子を見に来てたんだ」