「カケルは?」


ようやく追いついた幸弘が乃愛を背中から降ろしてそう聞いた。


「ダメだ。あいつ、なんであんなに逃げ足が速いんだよ」


創吾が落胆したようにそう言った。



「これじゃ骨人間を止められない……」


あたしはそう呟いた。


ここにいる全員が死ぬか、どうにかして森から出るかしか、方法が無くなってしまった事になる。


「いや……違う」


創吾は小さな声でそう言って、乃愛を見た。


瞬間、何かを悟った幸弘が乃愛の前に立ちはだかった。


「あたしはそれでもいいよ」


幸弘の後ろから乃愛が言った。


「乃愛!」


幸弘が乃愛をたしなめる。