絶対に乃愛と2人でこの森を出て、普段の暮らしを手に入れて見せる。


そう決意して再び前を向いた。


その時だった。


不意に森の木々がざわめいて、前を歩いていた創吾が足を止めた。


「あいつらか……?」


そう呟くが、森から何かが襲い掛かって来る気配はない。


「ただの動物かもしれない」


創吾が森を警戒したままそう言った。


「だとすれば、その動物を捕まえて生贄にしたらどうだ?」


生贄にしなければならないのは、人間だけじゃない。


真琴の場合は仕方がなく、そういう判断になってしまっていただけだ。


「捕まえられるような動物ならいいけどな」


創吾が言う。


「逃げたのかな?」


乃愛が呟く。