しばらく森の中に隠れていると、骨人間は菜摘の体を置いて森の中へと入って行ってしまった。


それを確認して、そっと道へと戻る。


血まみれの菜摘の体はピクリとも動かない。


血なまぐさい匂いが周囲に漂ってきている。


「乃愛、幸弘、大丈夫だったか?」


俺たちと同じように森の中で身を隠していた創吾たちが出て来てそう聞いて来た。


「あぁ。どうにか」


「ここにいると今度は野生動物に襲われる。早く行こう」


カケルがそう言い、俺たちは菜摘の死体をそのままにして再び歩き出したのだった。