小屋からの悲鳴は確かに聞こえて来た。


あたしたちはその場で立ちどまり、視線を絡ませる。


「今の、誰の声?」


菜摘が聞く。


「女の声だったな」


和希が答える。


あたしにも、女の子の声に聞こえた。


幸弘たちと一緒にいたのは乃愛と真琴の2人だ。


今の悲鳴はどちらかということになる。


「なにかあったのかな?」


菜摘が不安そうな顔でそう言った。

「たぶんそうなんだろうね」


答えながらも小屋へと近づく足が自然と遅くなる。


小屋の中で何が起こっているのか、怖くて前に進むことができない。