そのノートには《儀式に関すること》とマジックで書かれていた。


俺はチラリと乃愛を見る。


乃愛は小さくうずくまり、両耳を塞いでいる。


真琴と創吾も俺の方を見ていない。


俺はノートを取り出すと、すぐにＴシャツの中へとかくした。


「やっぱり、何もないな」


俺は落胆した声でそう言い、みんなに背を向ける形で座った。


そっとノートを取り出してそれを確認する。


随分と昔に書かれたノートのようで、表紙はボロボロになっている。


ページをめくってみると、儀式のやり方についての説明が細かく書かれていた。


それは俺たちが行ったものと全く同じやり方だった。


俺はゴクリと唾を飲みこみ、読み進めて行く。


所々文字は読めなくなっているけれど、伝えたいことは辛うじてわかる。