「そんなことよりも、外の様子を見に行かないと」


和希が気を取り直したようにそう言った。


「そ、そうだよね」


菜摘が頷く。


カケルの話も大切だけれど、今は外から聞こえて来た物音の方が優先だ。


「これを使えばいい」


カケルはナイフを握りしめてそう言った。


「それとも、俺が身に行こうか?」


カケルの言葉に和希が迷いを見せた。


できればカケルお願いしたいけれど、カケルの事を100%信じられるかどうかわからない。


自分の目で確認した方がいい。


「俺が行く。付いて来てくれないか?」


和希の言葉にあたしは頷いた。


さすがに、和希1人で行かせるわけにはいかない。


「香菜美、外へ行くの?」


菜摘が不安そうな視線をこちらへ向けて来る。