さっきからずっと感じているカケルへの疑問は、形になってきつつあった。


カケルは儀式の経験者。


もしかしたら過去蘇った者なのかもしれないと。


そう考えると、カケルが途中で言葉を切った意味が通じるのだ。


説明しようとしても自分が蘇った者だった場合、それを安易に人に話す事はできないだろうから。


1度死んだ人間が2人もいる。


その状況は異常すぎて、軽くメマイを感じた。


早くこの森から脱出したい。


でないと、なにかとんでもない事が起きてしまいそうな気がする。


「ねぇ、カケル。本当に道は正しいの?」


真琴がカケルにそう声をかけた。


カケルが振り返って「正しいに決まってんじゃん」と、笑う。


「だけど、どこまで歩いても出口がないじゃん」


「20キロは歩かなきゃならないからね。出口はまだまだ先だよ」


そう言い、カケルはまた前を向いて歩き出す。