儀式の後車が動かなくなり、カケルに出合った。


それをずっと疑問に感じていたようだ。


「本当だよ。あそこはとても神聖な場所だ。一番天国に近い場所。天国とこの世を繋ぐ場所だって教えられてきた」


カケルが真剣な眼差しでそう言った。


嘘をついているようには見えないけれど、出合って間もないカケルを信用することはやっぱりできない。


「それに俺は儀式で――」


そこまで言ったカケルが途端に言葉を切った。


「なんだよ?」


創吾が聞く。


カケルは視線を伏せて「なんでもない」と、小さく答えたのだった。