でも、気がかりなところはそこじゃない。


カケルは森の所有者の息子。


となると、あの広間の事も知っていることだろう。


そしてあの広間の使い道だって聞かされているハズだ。


儀式は人に見られない事が大前提となっている。


もしも、カケルに見られていたとしたら……?


暗い森の中からこちらを見ているカケルを思い浮かべて、慌てて首を振ってその光景をかき消した。


だけど、カケルに見られたことによって儀式に失敗し、帰れなくなってしまったという考えは間違いじゃないかもしれない。


幸弘と創吾もカケルとは距離を取り、警戒しているように見える。