「こんな時にする話かよ」


和希が怒ったような声でそう言った。


重たい空気が立ち込める。


創吾が申し訳なさそうに俯いた時、幸弘が振り返って創吾を見た。


「それで、乃愛は蘇るのか?」


弱弱しい声で幸弘が聞く。


創吾はパッと顔を上げて「もしかしたら、その可能性もあるんじゃないかって考えたんだ」と、早口で言った。


みんなに認めてほしそうな顔をしている。


「なに言ってんの!」


あたしは思わず声を荒げてそう言った。


そんな都市伝説なんてバカバカしい。


ありもしない噂話で幸弘の心がかき乱される姿なんて、見たくなかった。


「そうだよ、やめてよ」


菜摘が青白い顔でそう言った。


しかし、創吾は話を止めなかった。