「それではクリップを上げて下さい」



その声と同時に、クリップを上げる。

……今度は大丈夫……と、思う。多分。

普通、こんなことって覚えてるのかな?



そうこうしている間に、順番はあたし達まで回って来ていた。




「次の答えです。

東條くんが下駄箱……
秋月さんが廊下。

……また違いますね」




さすがの司会者も、今度は笑顔がひきつっているようにも見える。

……って、違うの!?これが!?





「お前なぁー‼」



「ちょ、ちょ、ちょっと待って‼
今回合ってるのはあたしでしょー!?」



「はあ!?どう考えたって俺だろ」



「いいや、絶ーっ対‼あたし‼
って言うか下駄箱って……付き合う前じゃん‼

そんなのキスに入んないよっ」



「キスはキスだろ‼
付き合う前でも同じだ」



「意味わかんないっ、最悪‼」