東條に連れられて中に入ると、すぐに大きな部屋へと通された。


ほんとに何から何までデカイ……




「いらっしゃいませ、蘭さん」



うわっ……

振り向いたあたしの目に映ったのは、メイド服を着た女の人。




「わー本物だあ‼すごっ‼」



真っ黒のワンピースに、ヒラヒラとしたレースのエプロン。

あたし、本物初めて見たし。
ほんとにいたんだなあ……メイドさん。


一人でうんうんと納得していると、一人のメイドさんが口を開いた。




「えと……秋月 蘭さん?

私は、ここで働いている泉田 美椰(イズミダ ミヤ)
わからない事は、何でも私に聞いて下さいね?」



ニコリと笑って、頭を下げる。

あたしもつられて、頭を下げた。



「あ……秋月 蘭ですっ。
よろしくお願いします」