☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



抱え込みすぎる妹だから、心配だった。


でも、彼に預けておけば、全てが安心というように、妹は穏やかに微笑んだ。


彼に愛され、幸せそうに微笑んで……くっつき方は、些か、気に入らなかったが……まぁ、妹が幸せなら、良いかと思っていたところに。


『沙耶が相馬の仕事関係で拐われた。援護、頼む』


と、いう、とても、あっさりしたお達しが。


送り主は、沙耶の実父であり、俺の養い親である健斗さん。


相変わらず、娘が巻き込まれたときいても、焦らない彼は俺に拳銃を二丁渡し、


『生きて帰ってこいよー』


と、全く、心配していない風に言われた。


健斗さんは、できないことは頼まない。


その人間の丈に見合ったものを任せ、その者の本質を引き出すのが彼のやり方だから。


自分が医者を目指すようになったのも、麻衣子を本気で愛してしまったのも、今思えば、すべては健斗さんの一言からだった。


本質が全く見えない、何もかも完璧な人。


その人が、沙耶と相馬を引き合わせた。


生まれ持った顔と金と非道さで、


培った実力で、


地位を勝ち取った人。


俺らを育て上げた、その計り知れない人を理解し、愛され、愛せるのは、ユイラさんだけ。


重い、重い愛を受け止められるのは、ユイラさんだけ。