「柚香、具合が悪いところとかは?」
「ないよ、大丈夫」
「そっか……ごめんね、私の身代わりに」
「ううん、その事なんだけど……多分、これね、普段から行われていることなんだと思うの。ここにいる間、ずっと、話を聞いてたんだけど……御園を潰したい人間と、普段の取引が同時に行われてる。だから、全部、潰しても大丈夫だよ」
爽やかな笑顔でそう言い放った、柚香。
「私は大丈夫だから、暴れてきな?なんかあったら、救いにはいるけど、怒らないでよ?」
「……」
「ほら」
柚香は、幼馴染みだ。
優しくて、大切な幼馴染み。
でも、それ以上に親友でもあり、相棒でもある。
「ん」
差し出された手にタッチして、私は微笑んだ。
「行ってくる」
「めちゃめちゃにしちゃって?」
「勿論」
柚香が無事だったからって、おさまる怒りじゃない。
徹底的に潰してやろう。
彼らが、生きてきたことを後悔するほどに。


