☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



本気で、中に入れば、こっちのもの。


そう、例え……


『ここか?』


例の取引先が来ようとも。


外で聞こえたその声に、行動が早すぎると舌打ちをしながらも、私は息を殺し、足音を殺して、柚香を探した。


「ふぁ、ふぁっ……」


ふと、聞こえた小さな声。


奥の方へ行ってみると、柚香は同じように手を縛られ、猿轡をつけられていた。


「チッ……」


持ってきた小刀で猿轡を外してやり、縄も切る。


「ありがとう……」


柚香がそういったと同時、扉の開く音がして。


(10……いや、20はいるか?)


足音や、声から把握するに、それぐらいいるんだろう。


そもそも、私たち以外に囚われた女の子はいないのだろうか?


ふと、そんな疑問が出たとき、


「キャーーッッ!!」


女の子の悲鳴が、聞こえた。


(いるんかい!)


情報が無かったせいで、そこまで準備してないのに!

……ああ、でも、この際、仕方がないか!


一人で頭を抱え、私は柚香に小刀を渡した。


「私が男達を引き寄せているうちに、女の子を解放してくれない?」


柚香は、しっかりとそれに頷く。