「私が問いただしたら、『閉じこめるぞ』だよ!?会話なりたってねーっての!あいつ、マジで頭いいわけ?」


全国模試、一位以外があり得なかった相馬さま。


現在も、既に十二か国語をマスターしている異常な人である。


齢、22ににして、そんなことが可能なのかはわからないが、実在するのだから、可能なのだろう。


「よし。帰りたくない」


何が、よし、なのか。


訳がわからない。


「柚香にたのもーっと」


一人でぶつぶつ何かを言ったかと思うと、


「もしもし、柚香~?」


幼馴染みに電話を始めてしまった。


「……そうそう、喧嘩してさ。茅耶と悠哉を……」


(――まさか)


酷く、嫌な予感がした。


けれど、一応、主だから、口は挟めない。


運転に集中しつつ、耳を傾けると。


「……ありがとー!」


……会話が、終了した。