□沙耶side■
父さんと別れたあと、黒橋所有のバイクをかっぱらい、それを使って父さんから送られてきた場所に行った。
「チッ、暗い……」
この時の私は、本当に柄が悪かったと思う。
昔から怒ると、どうしても、口調が変わってしまう私は、このとき変わっていたらしく、いろいろと大変だったと、後に聞くことになる。
そんなことになるとも知らない私は、銃を隠し持った状態で、倉庫B棟に躊躇いなく、近付いていった。
「―おいっ、誰だ!?」
響く、声。
チラつく、光。
やはり、父の言う通り、中岡組が彷徨いているらしい。
こっそりと逃げ、影に隠れる。
すると、薫や相馬とは比べ物にならないくらい醜い男たちが、姿を現した。
別に、そいつらを伸して、柚香を助けてもいい。
けど、そうなれば、こいつらの仲間がどれくらいなのか、計り知れない。
「あの女、どうなった?」
「まだ、俺らに気づいてないんじゃね?」
「若の命令なら、後で喰っていいってことだが」
「マジかよ、やりぃ!」
話している女が、柚香か、それとも、別の女か。
柚香ならば、こいつらの存在に気づいていないなんてことはあり得ないのだが。
まあ、彼らの話し方からすると、柚香は今、動けない状態なんだろう。
なら。
「あ、良かったぁ~人がいた~」
わざと、囚われてやろうじゃないか。
父さんと別れたあと、黒橋所有のバイクをかっぱらい、それを使って父さんから送られてきた場所に行った。
「チッ、暗い……」
この時の私は、本当に柄が悪かったと思う。
昔から怒ると、どうしても、口調が変わってしまう私は、このとき変わっていたらしく、いろいろと大変だったと、後に聞くことになる。
そんなことになるとも知らない私は、銃を隠し持った状態で、倉庫B棟に躊躇いなく、近付いていった。
「―おいっ、誰だ!?」
響く、声。
チラつく、光。
やはり、父の言う通り、中岡組が彷徨いているらしい。
こっそりと逃げ、影に隠れる。
すると、薫や相馬とは比べ物にならないくらい醜い男たちが、姿を現した。
別に、そいつらを伸して、柚香を助けてもいい。
けど、そうなれば、こいつらの仲間がどれくらいなのか、計り知れない。
「あの女、どうなった?」
「まだ、俺らに気づいてないんじゃね?」
「若の命令なら、後で喰っていいってことだが」
「マジかよ、やりぃ!」
話している女が、柚香か、それとも、別の女か。
柚香ならば、こいつらの存在に気づいていないなんてことはあり得ないのだが。
まあ、彼らの話し方からすると、柚香は今、動けない状態なんだろう。
なら。
「あ、良かったぁ~人がいた~」
わざと、囚われてやろうじゃないか。


