☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「11歳は有り得ませんよ……何したんですか……」


そう、流石に若すぎる。


すると、彼はさらりと、


「皆の前で技かけて、京さんを投げたくらいだよ」


と、言った。


「京さんに!?」


それは、誰もが驚かざる得ない。


「いやな、健斗さんに連れてかれて……そこで……」


「あの人に技を掛けるなんて……」


京さんを知っている人間は、誰もが青ざめた。


「笑われたよ。『俺の死んだあとは、全部、お前に任せた!』って。後は、顔と金の力じゃね?」


軽い。


結婚しても、彼の軽さは変わらない。


「……と、まぁ、ちょっとした世間話はこれぐらいにしといて」


彼は白衣を近くの机に置くと、鞄から取り出した服を羽織った。


「女はここに残っておけよ。あぶねぇから。あ、相馬と千歳は来いよ。定員は、五名。あと、三名は話あえー」


銃弾の残りを確認する、勇真さん。


本当、こんな人に育てられたら、誰だって沙耶みたいになるだろう。


こんなにもハチャメチャで、明るく、笑う人間。


彼に人望があるわけが、なんとなくわかった気がした。