☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「……初代キングは確かに、焔棠京ですけど。それ、私の父親ですけど。何で知って……え?あれ??」


頭がこんがらがってきたらしく、桜は額を押さえる。


「俺、二代目のキング。三代目がいねぇから、まだ、二代目なの。京さん、格好いいよな。不慮な事故で亡くなっちまったが……」


正確に言えば、殺されたのだが、世間では不慮な事故ということで片付けられている。


人外のものに殺されたなんて、説明のしようがないから。


「俺の親父が死んですぐだったから、ショックが大きかったのを覚えてるよ。兄を亡くした気分でな。まぁ、二代目に指名されたときにゃ、この人、なんで、11歳の小学生に頼んでんだろう、と思ったが」


どうやら、二代目になったのは、小学生のころらしい。


「沙耶が生まれた年だったかな。うん、いろいろと大変だった。嬉しいやら、悲しいやら……」


確かに、多くのことがあった年だった。


その翌年、桜と薫の祖母である千夏さんも不慮な事故で亡くなっている。