「えっ、初代キング……?」 桜の父親は表向き、瞬さんだ。 本当の父親など、身近なものしか知らないはず。 「焔棠京……君の、父親だろ?」 煙草を手に、火を点けようとし、勇真さんは動きを止める。 なんか、とんでもない言葉を放って。 「この中で、妊娠、または、妊娠してるかもーって子がいたら、手をあげてー」 おずおずと、数人の手が上がる。 「おおう、集中的に出産ラッシュが来そうな予感」 その光景に面食らい、勇真さんは煙草をしまうと、飴玉を口に放り込んだ。