☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「えっ、初代キング……?」


桜の父親は表向き、瞬さんだ。


本当の父親など、身近なものしか知らないはず。


「焔棠京……君の、父親だろ?」


煙草を手に、火を点けようとし、勇真さんは動きを止める。


なんか、とんでもない言葉を放って。


「この中で、妊娠、または、妊娠してるかもーって子がいたら、手をあげてー」


おずおずと、数人の手が上がる。


「おおう、集中的に出産ラッシュが来そうな予感」


その光景に面食らい、勇真さんは煙草をしまうと、飴玉を口に放り込んだ。