☆真実の“愛”―ただ、愛してる―3



「―おい、静かにしろ。見つかると、迷惑だぞ」


『すいません……』


「まぁ、これから行くから続けて、張り込みを頼む。大したことがない限り、中には入らなくていい。俺の妹が来ても、知らない振りをしろ」


『わかりました』


「近々、顔を出すから。ちゃんと、気ぃ張れよ?」


『はい!』


電話相手との通話が終了し、勇真さんが電話を切る。


俺たちは、ただ、愕然とするしかなく。


「……ってなわけで、沙耶も柚香は心配ない。あそこに揃ってんのは、幹部たちだしな」


平然とそういう彼は、何者か。


「え、お兄さん、何者……?」


俺が思ったことを、桜が訊ねる。


すると、勇真さんは


「三十路のおっさんに、『お兄さん』か……いい子だね、流石、初代キングの娘だ」


そう言って、にっこり笑う。