「……柚香も沙耶も大丈夫だよ。誰の妹だと思ってんだ?俺がなにも、仕掛けてないわけないだろ?」 そして、拳銃を仕舞い、スマホを手に。 「――もしもし、恭(ゆき)?」 どこかに電話を掛け始め、 「港沿いの倉庫B棟、今の状況は?」 と、話し始めた。 そこは、柚香が囚われている場所で。 勇真さんはスピーカーにし、俺らにも聞こえるようにしてくれる。